2010.06.04 Friday
ネックが完成したら指板を作りボディーと合体していきます。
その後ネックの形を作ります。
弾き心地を考えて僅かなカーブの違いを手で感じ取りながら削っていきます。音楽家の方はとても手の感覚が優れていますので一切の妥協は許されません。
仕上げにかなりの時間を費やします。



そしていよいよ完成です!
ニスが塗られていない白木の状態もなかなか愛らしさがあります。

そしてここからニス塗りに入っていきます。
ニスでがらりと表情が変わります。お楽しみに。
| 製作記 | 11:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
2010.05.17 Monday

スクロール(Riccio)を作っていきます。
裏板と同じ樹からとったブロック材を製材しデザインした型をあてて写していきます。そして切り抜いたらアウトラインを決めていきます。ヤスリなどで丁寧にカーブを出していくのでなかなか根気の要る作業です。


アウトラインが決まるといよいよスクロールに取り掛かります。
まずはペグBOXから一周目までノコギリで切り取っていきノミで仕上げていきます。そして同じように2周目と最後の中心の丸までを作ります。左右対称に頭で描いた通りの立体的なラインを作っていくのはとても難しいものです。どうやら人間は曲線を客観的に見るのがとても難しいようなのです。どうしても経験が問われてきます。


渦巻き部分が終わるとペグBOXをほり背中を掘っていきます。すべてが曲線で構成されているので、統一感を持たせていく感性も必要となってきます。
スクロールは製作家にとって名刺代わりのようなものです。ここに製作家の経験や腕、個性が如実に現れてしまうからです。若手の製作家が熟練の製作家にアドバイスを仰ぐときもスクロールを見せにいくというのもよくあることです。楽器を評価されるときもここを厳しく見られます。是非一度、ここを見比べてみてください。また違った面白さが見えてくることと思います。
| 製作記 | 06:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
2010.05.12 Wednesday
表板が完成すると裏板を仕上げていきます。

ここでは表板との相性がとても大切です。表板の性格を見つつ裏板にどういう性格を与えるかは職人の経験と感性によります。表板同様、重さ・音の響きや高さを見ながら0.1ミリ単位で削っていきます。大まかな厚みがき決まると無駄な木を重さを見ながら徹底的に削っていきます。この仕上げをどこまで詰めるかもクオリティーを左右するとても重要なところです。


横板を組んでいた型をはずしていきます。両側にライニングを取り付けてあるので外すには少しだけコツがいります。


コーナーブロックやライニングを仕上げて裏板を接着していきます。
その後、表板を接着しボディーの完成です。
| 製作記 | 09:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
2010.04.30 Friday

[f]が切り終わると表板の厚みを決めていきます。この厚みは音色の方向性を決める大切な要素のひとつです。弦楽器製作者にとって一番の腕の見せ所であり、答えのない一番難しいところでもあります。スクレーパーで0.1ミリ単位で削っていきます。わずか0.1ミリだけでずいぶんと音が変わります。どこをどれだけ削るかは「木の質・硬さ・重さ・叩いた時の音・響き」などを総合的に見て判断していきます。もちろんその瞬間だけでなく何十年・何百年先を見越して作らなくてはいけません。重さや叩いた音などをデータとして取り、経験と照らし合わせて進めていきますが、最後の一押しはやはり、勘(感性)でしょうか。彫刻家の方がよく「木の声を聞く」という言い方をされるのを耳にすることがあります。基本、弦楽器の場合は演奏するのための道具であり、最高の機能へと向かって「木を見定める」というほうが感覚として近いのかもしれません。皆さんの感覚は如何でしょうか。


まずは製材し表板のカーブに完全に沿うように接着面を削っていきます。複雑な隆起になっているのでコツがいる作業です。接着も将来取替えが聞くようにニカワで接着します。接着が終わると成形に入ります。厚みを決めるときと同様に「硬さ・叩いた音」などを見ながら形を決めていきます。バスバーの形状にはいろいろなものがあり製作家それぞれの理論によって大きく違いが出てきます。研究や実験も盛んに行われていますが、なかなか答えの見つからない難しいものです。


表板の厚みが決まると、バスバー(Catena)の取り付けです。これは低音弦側の補強としての役割だけでなく駒からの振動を表板の縦方向に振動を伝える役割もしています。ですのでバスバーも厚み同様、音にとても影響します。話が戻りますが、つまり表板の厚みをつけるときにはバスバーでどのように表板の状態が変わるかも計算しながら進めていくことになるのです。


*豆知識*
バスバーの変化。
音と強度に影響するものなので求められる音と弦の変化に合わせてバスバーも変化してきています。ヴァイオリンのバスバーも御多分に洩れず変化しており、ストラディバリもガルネリも殆どのバスバーが、現代のものへと取り替えられています。
近年、日本音楽財団が購入したストラディバリの名器「レディー・ブラント」はオリジナルのバスバーが筒に入れて保存されており、常にセットで所有されてきたことで有名です。
| 製作記 | 10:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
2010.04.23 Friday

まずは、[f]をデザインしていきます。
[f]の位置はストラディバリの時代から決まっています。理想的な位置を音響学もすすんでいない時代の人々が知っていたのには驚きます。[f]は大まかな形は決まっていますが、デザインは製作家がそれぞれにしてきます。もっとも個性が出るところの一つです。


デザインが終わると、ナイフで切っていきます。
シャープな印象にするために極力ヤスリは使わずにナイフだけで仕上げていきます。切りすぎると取り返しがつかないので緊張を強いられる作業です。しかし、慎重すぎるとラインの勢いが損なわれます。よく研がれたナイフで、集中し一気に仕上げていきます。
*西洋のナイフは、カーブが切りやすいように両刃になっています。

左も同じように切っていきます。左右対称にしていくのですが、やはり人間の手ですのでやはり極々少量ですが違いが出てきます。これが手で作った楽器の表情の豊かさの一つになるのです。人の顔が完全に左右対称ではないのと同じですね!
[f]は楽器を鑑定するときにもっとも対象とされる所の一つです。
地域性、時代性、作家の個性などが色濃く出ます。[f]しか載っていない本もあるくらいです。あらためてご自身の楽器と見比べてみると、また違った魅力が見つかるかもしれませんよ。
*豆知識*
[f]の起源はバイオリンより以前の古楽器にさかのぼります。
もともと弦楽器はアラブから伝わってきたと言われ、その当時はC型・三日月形の穴が開いていました。Viola da gambaにはその名残がありますね。その後ViellaやLiraという楽器に進化しキリスト教文化圏に根付いたときに、C型の上部がひねりS型になり、駒の位置をわかりやすくするために切込みが入り[f]になりました。それがバイオリンへと受け継がれたのです。

| 製作記 | 07:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
2010.04.21 Wednesday
〜ヴァイオリン製作工房からの報告書[II]〜
膨らみ(Bombatura)の形が決まると、スクレーパーと呼ばれる
研いだ鋼の板で表面をなだらかに整えていきます。
少しの窪みや傷も音に影響するので根気強くスクレーパーをかけていきます。その後、内側を掘っていきます。ノミでほっていくのでなかなかの力仕事です。
| 製作記 | 08:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
2010.04.17 Saturday
台湾での買付けも無事に終わり、買付け楽器、弓共に早速カスタマーの皆様には
大変ご好評、お買上頂きまして誠にありがとうございます。

※現在CREMONAにて製作中の楽器の完成までをご紹介させて頂きます。
il rapporto da Liuteria (da Cremona)[I]
現在、すでに作業が進んでおりますので最初からではありませんが…
この楽器は6月完成予定です。

では…横板は粒のような、Specchiatura(鏡のような木目)と呼ばれる木目がよく出ているのが見えますでしょうか。これは木の質がよく繊維に対して正しく製材されている証です。これがニスを塗ったときの下の輝きになります。ライニング(横板の補強材)はしっかりとブロックに入れてます。


横板にあわせて表板・裏板の形が決まるとパフリングの溝を彫っていきます。パフリングは装飾以上に楽器の「割れ」を止める役割があります。パフリングはより深く中に入る方法で入れています。難しいのですがこうすることで、より「割れ」を止めてくれます。コーナーでの合わさり方が、個性と技術の見せ所です!


豆カンナで膨らみ(Bombatura)をつけていく作業です。膨らみは木の個性を見て決めていきます。これで大まかな音の方向性が決まるとても大切な作業です。この裏板の木は比較的固めの木なので弾きやすさを得るために比較的低めでなだらかな膨らみにしていきます。経験とセンスが問われるところです。
| 製作記 | 10:07 | - | - |
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